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人間の心理を理解して売上につなげる方法【START WITH WHY/読書メモ】

startwithwhy

先日に「START WITH WHY(英語版)」を読ました。

今回は読んでいるなかで、個人的に学びになった箇所だけ集めてみました。

本書は、ビジネスで成功するための必読書として、長年読みつがれるベストセラー。
自分のファンを作りたい人には、強くおすすめしたい一冊です。

「えっ、英語は読めないんです〜」という方は日本語版をどうぞ。

もくじ

本書の最重要フレーズ

People don’t buy WHAT you do, they buy WHY you do it.

人は、あなたが「何をするか」ではなく「なぜするのか」を買うのだ。

上記のフレーズが本書のいたるとことに見られます。

「なぜするのか」を買うと言われてもピンと来ませんよね。

しかし、ここを理解できると顧客心理がわかるようになるので、ビジネスの難易度がグッと下がります。

そのうえで知っておくべき考え方が、次の「ゴールデン・サークル」です。

ゴールデン・サークルとは

ゴールデン・サークルとは

ゴールデン・サークルとは、上の図のことです。

WHY:行動するときの目的や大義、信念のこと
HOW:他とどのように異なり、優れているのか
WHAT:売っている商品や提供するサービスこと

It can be used as a guide to vastly improving leadership, corporate culture, hiring, product development, sales,  and marketing. It even explains loyalty and how to create enough momentum to turn an idea into a social movement. And it all starts from the inside out. It all starts with Why.

(ゴールデン・サークルは)リーダーシップ・企業文化・雇用・製品開発・セールス・マーケティングを大幅に改善するためのガイドとして使えます。忠誠心やアイデアを社会運動に変えるほどの勢いを生み出す方法まで説明します。そして、すべては内側から始まる。つまり、すべては「WHY(なぜ)」から始まるのです。

Starting with WHY not only helps you know which is the right advice for you to follow, but also to know which decisions will put you out of balance.

WHYから始めることで、どれが自分にとって正しいアドバイスかを知ることができるだけでなく、どの決断がバランスを崩すかを知ることもできます。

ゴールデン・サークルの内側から外側(WHY→HOW→WHAT)の順で思考をめぐらすことで、なにごとも成功につながると述べられています。

Apple社の事例からゴールデン・サークルを理解する

例をあげて、ゴールデン・サークルを理解しましょう。

突然あなたのパソコンが壊れたため、新しいものを買いに行くとします。

パソコン選びに悩んでいたとき、2人のスタッフに声をかけられました。
片方がApple社のスタッフで、もう片方が別会社です。

どちらがApple社か予想してみてください。

We make great computers.
They’re beautifully designed, simple to use and user-friendly.
Wanna buy one?

私たちは素晴らしいパソコンを作っています。
美しくデザインされ、使いやすくユーザーフレンドリーです。
買いませんか?

Everything we do, we believe in challenging the status quo. We believe in thinking differently.
The way we challenge the status quo is by making our products beautifully designed, simple to use and user-friendly.
And we happen to make great computers.
Wanna buy one?

私たちは、現状に挑戦すること、そしてほかと異なる考え方をすることを信条としています。
私たちが現状に挑戦する方法は、製品を美しくデザインし、使いやすくユーザーフレンドリーにすることです。
そして偶然にも、私たちは素晴らしいパソコンを作っているのです。
買いませんか?

おわかりだと思いますが、後者がApple社です。

前者は、どこか自分勝手で高圧的なコピーな感じがします。
一方でApple社はロジカルというか、内容がスーと入ってきせんか?

その理由が、ゴールデン・サークルにあります。

Apple社のトークをゴールデン・サークルに照らし合わせると以下のとおり。

WHY:現状に挑戦することやほかと異なる考え方をすることを信条としている HOW:製品を美しくデザインし、使いやすくユーザーフレンドリーにすること WHAT:素晴らしいパソコンを作っている

きちんと、ゴールデン・サークルの内側から外側(WHY→HOW→WHAT)の順になっています。

以上からも、ゴールデン・サークルをしっかりと理解すれば、セールスやマーケティングが向上することがわかってきますよね。

人間の脳とゴールデン・サークルは同じ構造

人間の脳とゴールデン・サークルは同じ構造

The newest area of the brain, our Homo sapien brain, is the neocortex, which corresponds with the WHAT level. The neocortex is responsible for rational and analytical thought and language.

私たちホモ・サピエンスの脳の中で最も新しい領域は、WHATレベルに相当する大脳新皮質です。大脳新皮質は、合理的で分析的な思考と言葉をつかさどります。

The middle two sections comprise the limbic brain. The limbic brain is responsible for all of our feelings, such as trust and loyalty. It is also responsible for all human behavior and all our decision-making, but it has no capacity for language.

中間の2つのセクション(HOWレベル・WHYレベル)は、大脳辺縁系を構成しています。大脳辺縁系は、信頼や忠誠心といった人間のあらゆる感情をつかさどるものです。また、人間の行動や意思決定のすべてをつかさどるものの、言語能力だけは唯一例外なのです。

人間は意思決定を合理化しているにすぎない

When we communicate from the inside out, we’re talking directly to the part of the brain that controls decision-making, and our language part of the brain allows us to rationalize those decisions.

私たちが内面(WHY)からコミュニケーションをとるとき、脳の意思決定をつかさどる部分に直接語りかけているのであり、脳の言語部分がその意思決定を合理化するのです。

感情をうまく言葉にできない経験ってありますよね。
例えば、以下の質問に答えられますか?

なぜ、現在の妻(夫)と結婚しましたか?

よくある回答は、「笑顔がステキだから」や「相性がいいから」とかですかね。

しかし、よく考えると「笑顔がステキな人」や「相性がいい人」はほかにもいるはず。
ここからも、感情を言葉で言い表す難しさがわかりますよね。

意思決定する際も同じで、なにかを決めるときは、なんとなくそれっぽい理由で合理化しているにすぎないのです。

共感したとき「信頼」が生まれる

Trust is not a checklist. Fulfilling all your responsibilities does not create trust. Trust is a feeling, not a rational experience.

信頼はチェックリストではありません。すべての責任を果たしても信頼は生まれません。信頼は感情であり、合理的な経験ではないのです。

You have to earn trust by communicating and demonstrating that you share the same values and beliefs. You have to talk about your WHY and prove it with WHAT you do. Again, a WHY is just a belief, HOWs are the actions we take to realize that beliefs, and WHATs are the results of those actions. When all three are in balance, the trust is built and value is perceived.

同じ価値観や信念を共有していることを示すことで、信頼を得なければなりません。つまり、WHY(なぜ)を語り、何をするかでそれを証明する必要があります。繰り返しですが、WHYは単なる信念であり、HOWはその信念を実現するためにとる行動であり、WHATはその行動の結果です。この3つのバランスがとれているとき、信頼が築かれ、価値が認識される。

Trust begins to emerge when we have a sense that another person or organization is driven by things other than their own self-gain.

他者や他組織が自己の利益以外のことで動いているという感覚を持ったとき、信頼は生まれるのです。

ここは、自分が好きな商品や発信者を想像するとわかりやすいかもです。
元をたどれば、共感できるものがあったり、ギブ精神に惹かれて好きになったはず。

もっともらしいセールスなのに売れない理由

Each of us assigns different values to different things and our behaviors follow accordingly. This is one of the major reasons why it is nearly impossible to “convince” someone of the value of your products or ideas based on rational arguments and tangible benefits.

私たちはそれぞれ異なるものにいろんな価値観をもっており、その価値観に従って行動します。これが、合理的なセールストークや目に見える利益があるにもかかわらず、商品やアイデアの価値を誰かに「納得」させることがほぼ不可能である大きな理由のひとつです。

Apple introduced their iPod by offering us “1,000 songs in your pocket.” With the iPod and iTunes, Apple did a much better job of communicating  the value of both the mp3 and the mp3 player relative to how we lived our lives. Their adverting didn’t offer exhaustive descriptions of product details; it wasn’t about them, it was about us. And we understood WHY we wanted it.

Apple社は「ポケットに1,000曲を」のキャッチコピーとともに、iPodを発表しました。この発表では、ユーザーの生活がどのように変化するのかに着目してmp3とmp3プレーヤーの価値を世界に伝えました。当時の広告は、ただ製品の詳細を説明するものではありませんでした。つまり、製品のための広告ではなく、ユーザーのための広告だったということ。だからこそ、ユーザーは、なぜ自分がiPodを欲しいのか理解できたのです。

価値観はみなそれぞれ。
だからこそ「誰に売るのか」をはっきり定義する必要があるわけですね。

「誰を参考にするか」がビジネスの明暗をわける

There is nothing inherently wrong with looking to others to learn what they do, the challenge is knowing what practice or advice to follow.

他人がやっていることを参考にすることは本質的に悪いことではないが、大事なのはどのような行動やアドバイスに従うべきかを知ること。

Filtering your decisions through your WHY, you spend less time at the supermarket and you spend less money, so there’s an efficiency advantage also. You’re guaranteed to get value out of all the products you bought. And, most importantly, when you’re standing in line with your products in your arms, everybody can see what you believe. With only celery and rice milk it’s obviously to people walking by what you believe. “I can see that you believe in looking after your health,” they may say to you. 

WHYを通して自分の決断をフィルタリングすることで、スーパーで過ごす時間が短くなり、少額で済むので、効率的な利点もあります。また、買ったすべての商品から価値を得ることが保証されています。最も重要なことは、商品を抱えて列に並んでいるとき、あなたが何を信じているのかが誰にでもわかるということ。セロリとライスミルクだけで、あなたが何を信じているかは、通りすがりの人たちにも一目瞭然。「あなたが健康に気を配っているのは、見てわかります」と言われるかもしれません。

要するに、「競合分析するときは、自分と同じ信念や立場にある人であるべき」という話。

SNSマーケやSEOマーケをするとき、必ずベンチマークを探しますよね。
そのベンチマークは、本当に自分と同じ境遇ですか?

忘れてはいけないことは、誰かのベスト=自分のベストではないということ。

「誰を」参考にすべきか?
「誰から」アドバイスを受けるべきか?

ここがしっかりとしていれば、ビジネスが成功する可能性はグッと高まるわけです。

意外と人は「操作」されているのかもしれない件

From business to politics, manipulations run rampant in all forms of sales and marketing. Typical manipulations include: dropping the price; running a promotion; using fear, peer pressure or aspirational massages; and promising innovation to influence behavior―be it a purchase, a vote or support.

ビジネスから政治にいたるまで、セールスやマーケティングのあらゆる形態で、操作が横行しています。典型的な操作には「価格を下げる」「プロモーションを実施する」「恐怖・同調圧力・向上心を煽るメッセージを利用する」「購買・投票・支持といった行動に影響を与えるために革新を約束する」などがあります。

「間違いたくない心理」が同調圧力を加速させる

The peer pressure  works because we believe that the majority or the experts might know more than we do. Peer pressure works not because the majority or the experts are always right, but because we fear that we may be wrong.

同調圧力が働くのは、多数派や専門家の方が自分より詳しいかもしれないと考えるから。同調圧力が働くのは、多数派や専門家が常に正しいからではなく、自分たちが間違っているかもしれないと恐れるからなのです。

結局のところ、周りに合わせてしまうのは自分の意見に自信がないから。
同調圧力に負けないためには、自信をつけるために勉強しましょうってことですね。

あとは「間違う=成長する」とひらきなおる単純さも大事かも。

所属意識が人をバカにする

Our desire to feel like we belong is so powerful that we will go to great lengths, do irrational things and often spend money to get that feeling.

自分の居場所があるように感じたいという欲求はとても強力で、その感覚を得るために、私たちは多大な労力を費やしたり、非合理的なことをしたり、お金を使ったりする。

結局、人間は1人になることを恐れる生き物ということ。

例えば「推し活」なんかがいい例です。

誰かを推している仲間の一員になっているという感覚が安心感を生み、その状況を維持したい思いがグッズ購入やライブ観戦につながるわけですね。

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